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鳥取市の名水について!「平成の名水百選」に選ばれた地元民の生活に根付く湧水をご紹介!

鳥取市周辺に存在する名水について紹介します。「名水」とは、汚染されていない水源や水質の良い湧き水について使われる言葉です。

その中には地域の方々の生活と古くから結びついているものや、生態系の保全と関わっているものもあります。「平成の名水百選」は、日本全国の名水の中から水質や水環境の保全のために地域住民が力を入れているものが百ヵ所選定されたものです。

平成の百名水に含まれる鳥取市の名水、「布勢の清水」と、鳥取県が独自に選定した「因伯の名水」について解説しましょう。

「平成の名水百選」って知ってる?

出典 鳥取県ホームページ「因伯の名水」

名水と呼ばれるものの重要なポイントは、古くからある自然環境が保存されていること、周辺の生態系保持に関わっていることです。水質汚染が進んでしまうと、日本に昔からいた虫や水生生物などの小さな生き物の絶滅につながります。

水質汚染への危惧と、全国にまだ汚染されていない名水が数多くあることを知ってもらうことを目的に、昭和60年に選定されたのが「名水百選」です。

平成20年に、水環境の保全の重要性のさらなる周知を目的として、地域住民の力で水質が維持されている湧水地が「平成の名水百選」として新たに選定されました

昭和に選定された名水と平成の名水百選の違いは、水質保全により積極的な取り組みが行われているかどうかによると言えます。

鳥取市の平成の百名水「布勢の清水」

出典 鳥取市観光サイト

全国で百ヵ所しか選ばれない平成の名水ですが、実は鳥取市周辺にもリスト入りした名水があります。歴史が古く水量が豊富で、2024年現在も住民の生活用水として利用されていることが選定の決め手となったようです。

知られざる鳥取市周辺の名水、布勢の清水について紹介しましょう。

布勢の清水

鳥取市気高町殿にある、布勢平神社の境内で大切に保存されている湧き水です。(※ヤマタスポーツパークなどがある鳥取市布勢とは場所が異なりますのでご注意ください。)

かつて鳥取藩の分藩だった鹿野藩主、亀井茲矩公が水の清さと冷たさに感激し、近くに納涼のための家屋を立てて夏の避暑地として楽しんだそうです。

水量が豊富なことから地域の方の生活用水としてとても大切にされ、県道沿いに敷設した水道から多くの人が利用できるよう配慮されています。

湧水地の周囲には胸高直径(人の胸くらいの高さの幹の直径のこと)が1m以上になるタブノキなどの巨木が多く現存し、巨木林としても貴重な環境が保全されています。

鳥取県が選定した「因伯の名水」

地域住民の生活と関わりが深く、ある程度良い水質が維持されている水源地が鳥取市周辺にいくつか残されています。「因伯の名水」と呼ばれているものです。

昭和60年の名水百選の選定に合わせて、水質保全の大切さを県内の人たちに知ってもらうために選ばれました。

鳥取県東部、鳥取市周辺にある名水をいくつか紹介しましょう。

多鯰ヶ池

出店 鳥取市観光サイト

鳥取砂丘近くにある小さな池です。川によって運ばれてきた土砂が鳥取砂丘を形成する過程で、周辺の川がせき止められてできた池だと考えられています。鳥取砂丘の成り立ちを知るうえで貴重な環境遺産です。池の水は透明度が高く、スイレンの大群生や希少種のヌマカイメンの生息が確認されています。

ヌマカイメンは、主に海に生息する海綿動物の一種で、淡水や閉塞池に存在するもの、特に日本国内に生息するものは希少度が高くなっています。

用呂の清水

出典 鳥取県ホームページ

鳥取県八頭郡若桜町にある、国内では珍しい硬水の泉です。水量が豊富で、2024年現在も毎分1.5トン以上の水が湧き続けています。

規模も大きく、東西約6m、南北約3mと推計されています。近隣には鳥取市の重要文化財に指定されている大庄屋の家屋「矢部家」があり、家屋や家系の歴史をもとに戦国時代から生活用水として利用されてきたことが分かっています。

赤波川渓谷甌穴郡(おうけつぐん)

出典 鳥取市観光サイト

鳥取市用瀬町の赤波川渓谷沿いに見られる自然の景観です。甌穴とは、川の流れによって周辺の岩や川底が削り取られて複雑な形を作っている場所のことです。

一つとして同じ形をした穴がなく、自然が作り出す「偶然の芸術品」を楽しむことができます。

秋頃には川岸の紅葉と流れる水のコントラストが見事な風景を作り出す、唯一無二の名水スポットです。

雨滝渓谷

出典 鳥取市観光サイト

「日本滝百選」にも選ばれている、水量が多くて高低差も高い山あいの滝です。滝壺周辺は昔から山岳信仰の修行の場所として大切に保存されてきました。

観光客の方が滝壺のぎりぎりまで近づくことができ、飛び散る水しぶきの冷たさを体感できます。夏に訪れるのにおすすめの名水スポットです。

鳥取市周辺の名水まとめ

この記事では、布勢の清水を中心に、鳥取市周辺にある名水や水に関する貴重な環境について紹介しました。

最初に名水百選が選ばれた1990年代は、環境破壊や環境保全というテーマが最初に注目され始めた時期です。

雨が多く、池や湖や河川が生活と深い関わりを持つ日本だからこそ、まず水の環境保全が注目されたのでしょう。

鳥取市周辺は山、海、大きな川や池などに恵まれ、名水地が残りやすい好環境です。地域に残された上質な水源について知識を深め、水質を守っていく重要性を知るために、ぜひ布勢の清水や因伯の名水を訪れてみてください。

#お出かけ #暮らし

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